仕事で新型コロナウイルスに感染したら労災保険の対象になるの?

仕事で新型コロナウイルスに感染したら労災保険の対象になるの? 労災コラム

新型コロナウイルス感染症の発生から3年近く経ちました。
仕事が原因で新型コロナに感染した場合には、労災保険の対象となります。

厚生労働省では新型コロナに関して、以下のリーフレットと労災認定事例を出しています。

厚生労働省:職場で新型コロナウイルスに感染した方へ 業務によって感染した場合、労災保険給付の対象となります(PDF:742 KB)

厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に係る労災認定事例(PDF:128 KB)

仕事場でクラスターが発生したなど、仕事が原因で感染したことが明らかな場合はもちろん、そうでない場合でも、人と接することが多い仕事の場合などは、労災認定される可能性があります。

事例を見ると、病院や介護施設などで働く方は、感染経路が分からなくても労災認定されています。
しかしその他の業種の方でも、新型コロナに感染している人と一緒に仕事をしたり、近距離での会話があったり、数十人と接した場合などで、日常生活で感染した可能性が非常に低い場合は、労災認定されています。

労災保険では、次のような給付を受けられます。

◆療養補償給付
労災指定医療機関を受診すれば、原則として無料で治療を受けることができます。
やむを得ず労災指定医療機関以外で治療を受けた場合、一度治療費を負担してもらい後で労災請求をすることで、負担した費用の全額が支給されます。
◆休業補償給付
療養のために仕事を休み、報酬を受けていない場合、給付を受けることができます。
休業4日目から休業1日あたり給付基礎日額の8割(特別支援金2割含む)
例:給付基礎日額10,000円の方が10日間休んだ場合の給付額は56,000円
◆遺族補償給付
業務に起因して感染したため亡くなった労働者のご遺族の方は、遺族補償年金、遺族補償一時金などを受け取ることができます。

芸能従事者の場合は、大人数が集まっての稽古や撮影、近距離で台詞を言うような芝居もあります。特に俳優・声優の場合は、撮影時にマスクを外すことになるので、感染リスクが高い仕事のひとつだと考えられます。

労災認定されるかどうかは労働基準監督署の判断になりますが、「仕事で新型コロナに感染した可能性があるかも?」という方は、労災申請されることをおすすめいたします。まずは事故報告フォームよりご報告ください。